健康と食育を考えた「美味しい給食」

なないろでは、長期休暇や学校が休みの土曜日に学校の給食費と同じお値段で提供しています。好き嫌いが多い子どもたちにも喜ばれる、鮒寿司の飯(いい)をたっぷり使った手づくりメニューです。

給食を始めたきっかけ

開設後初めての夏休みを迎える際、少し心配なことがありました。 

家庭の事情で、毎日お弁当を持って来れないかもしれない利用者さんがおられたのです。 もし、その子達がお弁当を持って来れない日が出てきたらどうしようか・・・。 

 

なないろの建物は、元々認可外の保育園だったこともあり、小さいながらキッチンがあります。 

 

”その、小さいキッチンで手作りの給食を提供してはどうだろうか? ”

 

そんな提案からなないろ給食が始まりました。 

なないろの給食の秘密

毎日お弁当を持って来れないかもしれない利用者さんのため、手作り給食をスタートすることにしたのですが、料金が負担になってはいけないと思い、思い切って学校給食費に近い1食250円 という料金設定にしました。 

 

しかし、いくら1食250円という安価な料金設定にしても、「やっぱり250円だから・・・」というような料理を出すわけにはいきません。 

調理している音を聴き、匂いを感じながら「今日のお昼ご飯は何だろう」と思ってもらえるよう、ニンニクを利かせたりナンプラーを使ったりと、五感への刺激を意識しています。そして、食の拘りが強く特定のものしか食べないというお子さんでも、必ず1皿は食べられるメニュー を考えています。 

 

食の拘りが強いお子さんは、腸内環境が整ってないと思われます。 

そのため、滋賀県特産の鮒ずしの飯(いい)*1をすべての料理に取り入れ、好評いただいています。 

 

*1 − 鮒ずしは、塩漬けにした鮒をご飯で漬けて発酵させた熟れずしですが、このご飯を「飯(いい)」といいます。漬かった鮒を取り出した後、余った「飯」を懇意の鮒ずし屋さんから提供していただいて、給食の全料理に使っています。鮒ずしには、良質の乳酸菌を始め、ビタミンやカルシウムなどが豊富に含まれています。

給食を始めて子供たちに変化も

最初は、質より量を優先していた子供たちが、夏休みの終わりに「美味しい」がわかるようになりました。 そして、秋になり新米を出すと、「今日のご飯はいつもと味が違う」と声が上がりました! 

 

なないろでは、安心して居られる「場」を意識して整えていますので、食べることに集中できるようになった子供たちの味覚や感性がどんどん磨かれていったのです。 

 

なないろでは、好き嫌いはOKにしていますが、自分から「食べてみようかな」と今まで食べられなかった料理が食べられるようになったお子さんも数人います。 

 

鮒ずしの飯(いい)を使い始めてからは、みんなとてもいいウンチをするようになりました。 

中でも、家以外でウンチができず、いつも帰るまで必死で我慢していた利用者さんが、スルッとウンチが出るようになったので家に帰るまで我慢できなくなり、学校でもなないろでも自分からトイレに行くようになりました。 また、いつも夕方になると体がだるくて、家ではゴロゴロしていたという利用者さんが、「夕方になっても 全然しんどくならなくなったよ」と言っていました。